城宝 薫 氏
株式会社テーブルクロス 最高経営責任者CEO
アイデアやビジネスを形にするために、
想いを言葉にし続ける
食体験の予約やレストラン予約サービス利用料の一部を寄付し、途上国の子どもたちの給食費や学習費に充てるサービスを展開する、テーブルクロスの城宝さん。高校時代の経験がきっかけで今の仕組みを立ち上げられた城宝さんに、ビジネスを進めるなかで大切にされてきたポイントをお伺いしました。
食の楽しさを、途上国の子どもたちと分け合う
私たちはレストラン予約の専用アプリ「Tablecross」(テーブルクロス)やグルメプラットフォーム「byFood.com」(バイフード・ドットコム)を開発し、サービスを提供しています。特徴的なのはその仕組みで、ユーザーがレストランの予約をする度に、一定額が発展途上国の子どもの給食支援や学習支援に回るようになっています。レストランで美味しい食事を食べるごとに、栄養価の高い食事と食事の楽しさを子どもたちと共有できるサービスです。
2014年の設立以降、契約レストランの数は4000軒を超えました。また、途上国の子どもたちに寄付された食事は30万食に上ります。
これまで私たちが蓄積した食に関するデータを軸に、現在は飲食店やレストランブランドへのコンサルティング、農林水産省や地方自治体と協業したプロモーション活動なども手がけています。2018年には将来のインバウンド需要も見込み、英語でのサービス展開もスタートしました。
ビジネスのヒントを得た、高校時代の海外経験
私が今の事業の着想を得たのは、高校1年生の頃でした。生まれ育った場所の姉妹都市である米国フロリダ州オーランドに、親善大使として2週間ほど派遣される機会に恵まれたんです。
現地ではNPO活動の見学をさせていただいたのですが、その時に現地のスタッフから「社会課題解決をしたいのであれば、持続可能な仕組みをつくりなさい」と言われて、とても驚きました。それまでの私は、社会貢献活動は寄付を集めて行うものと思っており、貢献の対価として売上=利益を創造するイメージができていませんでした。ですが利益の創造と社会への貢献を同時に実現するビジネスのあり方を知って、起業への意欲がとても高まったんです。
社会貢献活動自体には、昔から興味を抱いていました。きっかけとなったのは7歳の時に家族旅行でインドネシアを訪れたこと。自分と変わらない年齢の子どもが思うように食べられない姿をみて、衝撃を受けました。
そして大学生の時に飲食店でアルバイトをしていた際に、飲食事業と社会貢献活動を組み合わせたビジネスを作ろうと決め、2014年にテーブルクロスを立ち上げました。
言葉にして発信を続ければ仲間が見つかる!言葉にできれば、先に進める
事業を立ち上げたばかりの頃は、想いばかりが先行してしまって、思うように作りたいサービスが出来上がりませんでした。アプリを作るための技術や、経験も全くなくて。ですが、なんとかして自分のやりたいことやビジョンをしっかりと自分の言葉にして周囲に伝えていくうちに協力者が増え、少しずつ前に進むことができたように思います。
とはいうものの、最初はまさに失敗の連続。途中からは気持ちを切り替えて「どうせ失敗するなら、はやく失敗するようにしよう」と決め、PDCAサイクルをとにかく早く回すことに意識を向けていきました。
自分の想いややりたいことを人に伝えるのは、すごく難しいことです。ですが、言語化しなければ何も始まりません。時間がかかっても失敗しても良いので、私の場合は「言葉にする」ことから逃げずに向き合ってきたことで、次第にサポートしてくれる仲間が増えてここまで辿り着くことができました。
ですので、皆さんも、焦らなくて大丈夫です。難しくても逃げることなく自分自身のアイデアや想いを人に伝えることを大切にしていったら、目指すべき姿にどんどん近付けると信じています。
高校時代のわたし
中高一貫の学校で生徒会長をしていました。生徒2000人アンケートを取って校則の改定(靴下の長さを変えてほしい!)を求める活動したこともあります。また、陸上部に所属していて、とにかくのめり込んで練習をしてスポーツ漬けの毎日を送っていました。
プロフィール
株式会社テーブルクロス
最高経営責任者CEO 城宝 薫 氏
1993年生まれ、2015年立教大学経済学部卒業。中高生時代の生徒会活動、親善大使活動などを通じてビジネスや社会貢献活動に関心を抱き、2014年株式会社テーブルクロスを創業。
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応募締切:2021年11月15日(月)12:00